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オーダーメイド処方薬

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今年の節分はボーダーコリーの椿(つばき)が青オニーでーす!
食べ物なら何でもOK『全てのお豆!キャッチさせていただきまっせ~!』って感じですね。
青鬼つばき


<みんなにピッタリあわせた,オーダーメイド処方薬>
今回はお薬の処方形態について,ご質問がありましたので少しご説明しようと思います。
ご質問の内容は,『ベルヴェットは,どうしてほとんどのお薬が粉薬(散剤)なのですか?』と言うものでした。その方のお友達が通われている動物病院では,人間のお薬を転用して際に,そのまま錠剤やカプセル剤を処方されているそうです。
分包薬


まず,お薬は外用薬,内用薬,処方食に分類されます。
さらに内用薬はその形から錠剤,カプセル剤,散剤(粉薬),液剤が存在します。

薬の処方形態は獣医さんごとに様々な考え方がありますが,私の考えとして,本来お薬はというのは『生体が自らの力によって,治癒していく過程を助けるものであり,投薬する際には効果範囲内で,最小限にすべき』と思っていますので,個体ごとにオーダーメイドに処方するのがよいと考えています。
(ようはお薬を使用する場合には,有効範囲内で極力少ない方がよいと言うことですね)

人間の場合,体格差は子供と大人,お相撲さん,そしてマツコ・デラ○クス?さん・・・などを除けば,よほどのことがない限り何倍もの差が出ませんから,剤形など比較的均一のものでも対応できます。しかし動物達,とくにイヌではその体重比が最大で30倍以上にもなります(チワワvsマスチフなど)。

国内で動物用の薬として販売されていないクスリは,ヒト用のお薬を動物達に転用します。ただしヒト用ですから含有量など,すべて人間用に調整されています。これらのクスリを転用し,有効最小限の使用量にするためには,体重ごとに用量を計算しなおして,剤形を変更することになります。
(このようなヒト用薬を動物へ転用する場合には,PL法(製造者責任法)に則って,元の製造メーカーでなく,処方した獣医師が剤形変更に関係なく責任者となります)。

ここで私が気にしているのが,ヒト用の薬などを転用処方し,半錠や1/4錠を割って与えてください・・・などとなれば,実際の体重に対する適正な投薬という観点からすると,かなりの誤差が生じます。もちろん体重によっては一致することもあるでしょうが,ほとんどが一致しないと考えています。
drug02

もちろん動物専用に企画・製造・認可されているお薬や,腸溶錠や糖衣錠(ピカピカつるっとした錠剤)などの形状変更できない場合はそのまま処方することはあります。
drug01

動物病院における薬剤処方について,このような『オーダーメイド処方』という考え方の動物病院はまだ少ないのが現状です・・・というのも,このような調剤システムにする場合,とてもコストと時間が必要になります。
その理由としては
   ★専用の高額な自動分包機の導入(設備投資,ランニングコスト増大による薬価上昇や利益減少)
   ★クスリの処方時間の延長(お待ちいただく時間の延長)
   ★調剤のためのスタッフ教育が非常に時間がかかる(求人時の人選&教育が困難,コスト増大)
などなど,それなりの施設もしくはかなり気合?がないと実行できません。私の知る限りでは,都市部の大学病院や有名どころでは「みなとよこはま動物病院(旧永岡犬猫病院)」などで導入しています。

以上のことから,ベルヴェットのお薬の処方方針は開院当初より,患者さんごとの変動する体重(100g単位,ハムスターは1g単位)および動物種や品種(犬種など)を考慮して,患者さん毎にオーダーメイド処方とするのが最良と考えております。そのため診察ごとに体重を測定し,患者さんごとに適した用量にてお薬を調剤していますので,お薬の形態が散剤(粉薬)となっております。

と言うことで,皆さんすみません。いつもお薬をお出しする時間は少しお待ちいただいております。そして,そのまま処方する動物病院に比べ,お薬の価格に関しては割高となっています。でも,みんなにピッタリのお薬をしっかり丁寧に調剤しておりますので,診察終了後は待合室にて動物達のビデオでもご覧になりながら,しばらくお待ちください。

ちなみに,お粉の薬が苦手な子たち用に,各種対策用品や投薬テクニック集をご用意しておりますので,いつでも受付にご相談ください。(す---ヽ(^0^)ノ)


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