今日の診察室

免疫介在性溶血性貧血

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バレンタインのチョコレート,皆さんありがとうございました。
お酒はあまり飲まない甘党なので,今年も沢山いただけてスタッフと一緒に大喜びです。
今年も変わったチョコレートやお取り寄せお菓子の数々\(^O^)/,
今回のスマッシュヒットは『ワニ・クロコダイル』でした!
ワニチョコ
あまりの精巧さに,もったいなくて食べられません(-。-;)

ヒマを見て診療内容や症例などを書いてゆこうと思います,極力わかりやすく努めますね。
今回は,この冬多かった病気ということで・・・
『自己免疫性溶血性貧血(免疫介在性溶血性貧血)』です(予備知識は文末参照)。
この冬は珍しく4件(イヌ3,ネコ1)をたて続けに治療,うち2例は違う診断で転院症例。
現時点での治療成績は全頭良好,1頭を残し全頭,強いお薬から離脱終了です。
最後1頭は2才のトイプードルのRちゃん♂が再発で昨日やっと退院でした。

今シーズンの免疫介在性貧血は2頭が重症で計3回,輸血を実施。
重症のトイプードルちゃんは一度完治したのち1ヶ月ほどで再発,
初発・再発ともに輸血が必要なくらいひどく,再発時には1日半で赤血球数が4分の1に低下,
急激でとにかく進行が早く,あっという間に黄疸と虚脱状態となり危険な状態でしたが,
飼い主様にも病気の特徴を十分ご理解いただいていたため,
即時対応が先手を打てていたので無事のりきれました。
1週間の入院の後,退院時には走って帰っていかれました・・・(^_^)b

今回の輸血ドナーにはクロスマッチテストにパスした,
我が鈴木家の精鋭「チームB」(注1)のOTOU(猫),
つばき(ボーター),しゃんしゃん(エアデールテリア)が出動,
特にスポーツドックのつばき&しゃんしゃんの血液はとてもパワフルで,
輸血後3日ぐらいで数値が跳ね上がるというスタミナ血液でした。
多分,赤血球以外に造血用のホルモン含め他の因子が多いのでしょう。
201102cyan2.jpg
---bellvet_trivia----(-_-)zzz
*1注)「チームB」とは・・・鈴木家の犬たちは妻が率いるAチームと,夫が率いるBチームに分かれて配属されている。ちなみに,チーム名の「A」は妻が関西出身のため「Aho」の「A」,
「B」は夫が関東出身のため「Baka」の頭文字である。


このような免疫介在性貧血は,再発率が高く治療後の管理がとても重要です。
生活指導やその後の獣医療行為にも細心の注意が必要になります。
というのも,軽微な風邪やワクチンなどで体温が上昇するなど,
免疫機能が刺激される状態になればいつでも再発する可能性があるからです。

よくご質問で『お友達のイヌもなったのですが,うつるんですか?』というご質問をうけますが,
他のイヌたちに伝染する病気ではありません。
しかし,免疫がからむ病気なので季節関与は重要ですね,例年12月~2月に多く拝見します。
(免疫を含むいくつかの疾患は,季節の関与が認められる疾患として厚生労働省が発表し,新聞に掲載されたのは記憶に新しいですね)
貧血に限らず,免疫介在疾患が一度発症したベルヴェットの患者さん達には,
気をつけていただくようご説明やご案内をしていますが,
病気やワクチン以外にも気候の変動や各種ストレス(ストレス無しもNG),
寒波や突然の雪など気象条件が急激に変動する状況など注意が必要です。
今回のRちゃんの再発も,バレンタインデー付近の寒波による雪の日でした。

やはり冬場は病気の発生が高まります。
体調不良の際にはなるべく早い段階で,お電話だけでも結構ですからお気軽にご連絡ください。
(す(^_^))

<予備知識1:免疫介在性溶血性貧血,自己免疫性溶血性貧血>
好発犬種:
ベルヴェット:マルチーズ,プードル,ミニチュアダックス
    国内:マルチーズ,シー・ズー,プードル
    海外:コッカースパニエル,アイリッシュセッター,プードル,O.E.シープドッグ

  性別差:メス犬の方が多く,オスに対しメスは2~4倍高い発生率
  症 状:元気消失,食欲減退,粘膜蒼白,発熱,血尿(尿が濃いだけの場合もある),黄疸
      時には貧血由来のおう吐など続発症状も合併する。
病気の説明:自らの免疫システムの異常により,自己の赤血球を破壊して赤血球が減少する病気。
      体内で赤血球を破壊する部位は血管内,肝臓,脾臓,骨髄。
      赤血球と同時に血小板も減少するエバンス症の場合には一般的に予後が悪い。

<予備知識2:貧血>
貧血は原因によりいくつかに分類されます。
血液は製造(造血)と破壊(血液の寿命や奇形・障害のため破壊)がつねに繰り返されていて,一定の状態が保たれている。造血機能が正常か否かで,再生性と非再生性に分かれます。
 ・再生性貧血 (造血機能が正常)
 ・非再生性貧血(造血機能が異常,再生不良のため作ることができない)

次いで,破壊や喪失など失血原因を含めて以下のように表現することが多い。
 ・出血性貧血:血液が血管の外へ出てしまう出血(外傷による出血や内出血など)によるもの
 ・溶血性貧血:血液が体内で破壊されてしまうもの(寿命や奇形,
 ・再生不良性貧血:血液を作ることができず正常の破壊のみ機能し,血液量が減少してしまうもの



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