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スポーツドッグの管理と変形性脊椎症(改)

 ←シロ公さまっ!1歳のお誕生日でございますぅ。 →その次は,紅虎兄妹のお誕生日
このところサッカー・ワールドカップの影響か朝の公園はすくなめ?
先日のギリシャ戦の時なんかは,こんな感じで人っ子一人いませんでした。
IMG_3487.jpg
公園もいつもはランナーや体操の人などが沢山いるのにすっかりガラガラ
ギリシャ戦は,みんなで応援していたのでざんね〜ん!
P1000823.jpg
 わが家のスポーツドッグ?『11番』はビミょ〜(笑)
さて,先日のブログで『変形性脊椎症』について書きましたが。
ドッグスポーツをする場合など気になると思いますので追記します。

何故このお題にしたかいうと,このところ競技会での診察依頼が多いためですが,
この春の関東方面の競技会でも同様な犬の診察を依頼されました。
(関西方面にて私が少し拝見した方が本件の症例と間違われてしまったようです。
 私の文章構成および表現に不手際があり配慮が不足していました。
 こちらのブログからも改めて深謝いたします)
その犬は後肢を気にして挙げているとのことでしたので診察してみると,
腰背部痛から二次的に発生した両後肢の飛節関節炎,すっかり腫れて水が溜まっていました。
(飛節関節とは足首のことです。)

年齢は中年齢,背中と腰の痛みがあるのを無理して走っていたのでしょう。
背中と腰の痛みがあるため,お尻や太ももの筋肉を使うと背中まで痛みが走ります。
確かに姿勢診断をしてみると骨盤の角度が立ち上がっていて※1)俗に言う『斜尻※2)』
骨格構成に異常が疑われます・・・と言うことは体のバランスが悪いと言うことです。
それらを総合評価すると体の中で使って痛くならないのは膝から下の部分だけ,
その子は,足首だけ使って頑張って走っていたのでしょうね。
 ※1) 立ち上がるとは脊椎に対して骨盤がより垂直に近づくと言うこと
 ※2) 斜尻がノーマルの犬種もいます
足首に限りませんが,どの関節も集中的に使いすぎてしまうと痛めてしまいます。
どこかに異常がある場合には,外傷(打撲や捻挫)などを想定しがち,
何か理由があり使いすぎでも炎症などは発生します。

触診からすると背部痛の起因疾患に背筋膜損傷と変形性脊椎症も疑われたため
ハンドラーには帰ったらすぐに飼い主に依頼し獣医に受診しレントゲン検査にて
その疾患を確認するように指示をしました。
その後レントゲンフィルムを拝見,残念ながらかなりひどい変形性脊椎症でした。

実はこの診断なかなか難しいのです。
飛節関節の腫れは誰でも分かるのですが,一般の獣医では
腰背部の痛みから派生していると診断はなかなか出来ないかもしれません。
もしその関連性に関して指摘できる獣医師であれば
筋骨格系に関してかなり高い診断能力が示唆されます。
20140616JAGUAR_spine-2.jpg じゃがー9才の自慢の背骨
さて,この疾患は正しくない使い方を『続ける』ことにより背骨が変形する病気,
と言うのは先日のブログで書きましたが,
多分この犬は数ヶ月〜数年前から現在まで毎日痛みを感じて
生活のなかの動きや特に走っている時など痛みを表現していたでしょうに・・・(涙)
しかし残念ながら気が付かなかったのですね。
周囲の人間は明らかな観察および配慮不足と言われてもしかたありません!
ちなみに,もし気づいていて続けていたのであれば虐待です。

それだけの症状が出ていると言うことは,少なくとも随分前から変化が出ていたはず。
周囲の方には相当反省していただかなくてはなりません。
確かにいろいろ言い訳はありますでしょう。いずれにしても現在行われている
生活形態,運動方法やハンドリング方法など全てを見なおす必要があります。

そんな場合,皆さんも残念ながらその変化を見つけることが出来ないかもしれません,
スポーツドッグの場合は獣医師などのプロの手を借りて毎月定期的なチェックなどが必要です。
20140616JAGUAR_spine.jpg ジャガーの背骨,拡大写真
また,たまに見受けられるのが
「走るのが遅い」「ハードルを跳ぶのを躊躇(ちゅうしょ)する」など
これらの状態の犬を『やる気や意欲が無い』などということを言って
無理矢理あおり立てて走らせたりするケースを見ることがあります。
体のどこかに問題があると,犬は痛みを嫌い変な動きや拒否動作を示します。
痛みが軽度の場合はとりわけ,この拒否動作がやる気の無いように見えるので,
やる気が無さそうに見えたり,気が散って他の所に行ってしまう動作が見られたら
直ちに体にトラブルがないかを獣医(出来れば整形関連やスポーツドッグ関連の獣医)で
しっかり詳細に評価する必要があるでしょう。
それらの評価をしっかりしたのち,次のステップで学習手順の見直しや
『ヤル気スイッチ』の入れ方を再検討されると良いでしょう。

チェックには必ず獣医師による客観的評価が最初に必要,その次に主観的評価を行います。

訓練士やトレーナー,犬の整体師またはプロのドッグショウ・ハンドラーの方々に
歩様や姿勢が分かるからと先に診てもらうのはNG,診てもらうのでしたら獣医師の診断の後です。
これは,評価が曖昧で主観的なためです。
これらの方々に先に相談して,その後にひどければ獣医という方々が良く見受けられますが,
実は順番が逆がベスト!客観評価の上に繊細な主観評価が積み上げられる形が理想です。

まず,定期的に(3〜6ヶ月毎に)レントゲン検査を行い客観的なデータで評価するのが良いでしょう。
レントゲン検査でデータがとられていれば,変形性脊椎症や四肢の関節炎などは最低限確認できます。
触診や望診である程度診断をつけることが出来る,整形関連の技術の高い獣医師は少ないですが,
レントゲン検査を行えば,獣医師の技術や経験に左右されにくい最低限の診断は可能となります。
 以下,獣医さんでチェックしてもらうときの項目です。
 ☆脊椎(胸・腰椎):変形性関節症,各椎間板の狭窄および石灰化
 ☆手首,肘関節,足首:変形性関節症,腫脹(はれ)浮腫(むくみ)および腱などの石灰化,骨折
 ☆これ以外に,過去犬に対してチョークショックやチョークによるジャーク(締め付け)の
  経験がある方は頸椎のレントゲンも確認しておかれる方が良いでしょう。
 ☆股関節,膝関節に関しては当然チェックしているものとして項目に入れませんでした。

我々がドッグスポーツをする際はもっと繊細かつ詳細に犬たちの体に気を遣う必要があります。
昨年,北海道のセミナーにヨーロッパ人の女性講師で,ハンドラーでかつ獣医師が来日
彼女の母国では,アジリティー・ハンドラー達はみな自分の愛犬を
2〜4週間毎に獣医師の健診を受けさせているそうです。
さすがに僕も2週間毎の健診にはビックリしましたが,そうかもしれません。
ハンドラー自身が獣医学的知識に長けていればよいですが,通常の方々には判断が困難ですから。
そして,障害が出てしまったらコツコツ訓練してきたことがあっという間に崩れ去ります。
無理なことになっていないか詳細に調べすぎることはありません。

ドッグスポーツはハンドラーと犬が共同作業を通して共に楽しむモノ
どのドッグスポーツでもそうですが,そのスポーツをやりたいのは人間の勝手
ほとんどの犬たちはもっともっと単純に人と一緒に走ったり,
飛んだり,ボールやディスクをくわえたりしたいだけです。
人はその競技をするために,犬にそれらをさせるのではなく

自分たちが共に楽しむために
犬にお願いして付き合ってもらっているのを忘れてはいけません。

アジリティーは家庭内で飼育されるようになったシープドッグたちに
もっと彼らの能力に合った運動させてあげることができないかという愛情の基に開発された競技,
現在のアジリティーはそれが発展し,より人間のスポーツ化の方向に向いています。
となると,そこに参加する犬たちにはもっと細やかな配慮が必要となっていくでしょう。
さらに,その引退した犬たちのために作出された競技がドッグダンス・・・。
我々日本人はもっと初歩のポイントをクリアーしてから,
各種競技に入っていくべきかもしれません。

(すー。(-.-#)
ご興味のあった記事があれば拍手をお願いしまーす。
今後の参考にさせていただきまーす。


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